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買い乗せテクニック [投資・経済全般]

新規に株式の買い建てを行う場合、買いの時点でストップ基準を設定し、予め決定した許容損失以内に収まる損失額になるよう、建て玉数を調整する。
その場合、買い建て価格からストップ基準までの値幅が大きいと、建て玉数を大きく出来ず、その後に株価が上昇しても十分な利益が得られない可能性がある。

もし、ストップ基準をトレーリングストップのように、株価の上昇に連動するように設定していた場合、株価の上昇過程において買い乗せを行えば、当初のリスクを増加させることなくより大きいリターンを狙えるかもしれない。
今回は、そのような買い乗せのテクニックについて考えてみたい。

今、もっとも簡単な例として、買い建て後の直近最高値の10%下にストップ基準を置く、トレーリングストップを考える。

また、トレード1回当たりの許容損失は、当初(年初)資金の2%以内とする。この場合、買い建て時点において、当初資金の20%までの資金しか使えないことになる。
なお、ここではスリッページや売買手数料などは考慮しないことにする。

具体例として、当初資金が100万円、買い建て時の株価が1,000円、売買単位が100株だとすると、最初は200株しか買えないことになる。
なぜなら、もし株価が10%下落してストップになると、1株当たり100円の損失であり、200株で2万円、すなわち、当初資金100万円の2%となるからである。

それでは、もし株価が首尾よく上昇して行ったならば、どうなるだろうか。ここではまず、許容損失である2%を変えない場合について考えてみる。

許容損失を2%に保ちつつ、買い増しを進めるには、まず株価が約6%上昇した1,059円で1株買えばよい。この時、トレーリングストップは1,059円の10%下、すなわち、953円の位置にあり、仮に1,059円が天井で、株価がストップ基準の953円まで下落して損切りした場合、一連のトレードの損失額は、(953-1,000)*200+(953-1,059)*100=-20,000となり、許容損失の2万円となる。

次に、さらにリスクを低減し、一連のトレード終了後に、最悪でも±0に持ち込みたい場合は、1,177円で100株買い増せばよい。この時の損切り基準は1,059円である。
上例同様に、(1,059-1,000)*200+(1,059-1,177)*100=0となり、損失を出さずに済む。

これを一般化すると、元々の株価をx0、株数をs0、買い増し分の株価をx1、株数をs1として、損切り基準価格をx1のa倍(1>a)、許容損失をb(損失がプラス)とした場合、次式が成り立つ。

  ((x0*s0+x1*s1)/(s0+s1)-a*x1)*(s0+s1)=b

これを、X1について解くと、次式が得られる。

  x1=(x0*s0-b)/(a*s0-(1-a)*s1)

例えば、200株を買い増し、最悪でも2万円の利益を確保したい場合は、s1=200、b=-20,000を代入して、x1=(1,000*200+20,000)/(0.9*200-0.1*200)=1,375となることから、1,375円で200株を買い増せばよい。
この時の損切りによる損益は、(0.9*1,375-1,000)*200+(0.9*1,375-1,375)*200=20,000となり、確かに2万円の利益となっていることが分かる。

このように、上記のテクニックを用いれば、許容損失を踏まえながら、買い増しを行なうことができる。もちろん、これはトレーリングストップに限ったことではなく、様々なストップ手法に利用できる。

まずは、許容損失内で買い建てを行い、そして、株価が首尾よく上昇していけば、買い増しを行なう。この、古くから伝わる手法にも、合理的な方法論が存在するのである。
ここでは、買い建てを例に話を進めたが、考え方は売り建ての場合でも同様である。


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先物中毒

質問です。当方、先物大好のおじさんです。教えを賜れれば幸いです。最適なトレーリングストップ値には頭を悩まし続けています。記事の方を拝見いたしましたが、それだけタイトなトレーリングストップを採用すると、トレーリングストップに引っかかる回数が増えて、ST注文による、執行誤差が過大となり、検証結果には3ポイント程度のSPを見越し計上しとく必要があると思います。コスト考えるとそれだけタイトなTRSTは現実には勝てないのではないのでしょうか?
by 先物中毒 (2008-01-09 16:54) 

Kフロー

先物中毒さん、こんにちは。はじめまして。

記事中のトレーリングストップの基準に関しましては、あくまで説明を容易にするための一例であり、このような基準でトレーリングストップを設定するべきだと申し上げているわけではないことを、ご理解していただきたく存じます。

先物中毒さんのご指摘のように、単独のトレードを積み重ねていった場合には、スリッページによる損失の増大が問題になるかもしれませんが、それは本質的には、システムの仕様に依存するものだと考えます。

例えば、私が使用しているシステムでは、当日の終値でシグナルを出し、翌日の寄付きで売買を行ないます。したがって、マーケットインパクトによる多少の影響はあるかもしれませんが、執行誤差によるスリッページは、本質的には存在しません。

もちろん、システムが売買判断を下した価格と、実際の売買価格との間には、大きなズレが存在しますが、それを踏まえた上でのシステムになっています。
場中に売買を行なった場合、先物中毒さんが仰る通り、執行誤差の影響から逃れられませんが、私はそれを避ける目的もあって、現在のようなシステムにしています。

場中でのストップは、結果的にストップ基準以上に価格が下落(売建の場合は上昇)した場合には有効ですが、ストップ基準以下に下落した後反発に転じることもまた多々あるかと思います。
場中にストップを置くべきかは投資戦略の問題ですが、ストップを置いた場合に、どの水準でストップを行うかについては、ケースバイケースだと考えます。

結局は、ストップ時のスリッページを考慮しつつ、ストップ基準を変えながらシステムの検証を繰り返していくしかないように思えます。
もちろん、それを実行するための方法は、いろいろと存在するのでしょうが。
by Kフロー (2008-01-10 13:35) 

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