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逆ドルコスト平均法 [トレード新思想体系]

ある程度株式投資について勉強したことのある方なら、ドルコスト平均法という投資手法をご存知でしょう。
これは、定期的に一定額の資金で同一銘柄を買える数だけ買い付けるという手法です。こうすることにより平均購入価格を下げることができ、結果的に有利なポジションを得ることができるとされています。

毎月一定額を購入する場合と、一定株数を購入する場合とを比較しますと、平均購入価格は次のようになります。
例えば月々の購入日の株価をx[n]とした時に、ドルコスト平均法による平均購入価格は     n/∑(1/x[n])、一定株数を購入する場合の平均購入価格は∑x[n]/nとなります。

したがって、
  n/∑(1/x[n])<∑x[n]/n
であることが示せれば、ドルコスト平均法が有利であることが分かることになります。

ここで、一定株数を購入する場合は相加平均、ドルコスト平均法の場合は調和平均を求めていることが分かります。数学的には、相加平均≧調和平均であることが証明されており、しかも等号が成り立つのは、全てのx[n]が等しい場合に限ります。
したがって、ドルコスト平均法の方が平均購入価格を下げることができることが分かります。

ドルコスト平均法は、上に示したように、数学的に優位性が証明されている手法です。しかし、この手法の実践には非常に多額の資金が必要になります。また、長期に渡って買付けを行うため、基本的には積立型の長期投資となります。
そのため運用成功の大前提として、株価が長期的には上昇基調にあることが要求されます。

したがって、その運用の大半は、年金資金や社内持株会、あるいは累投(るいとう)等に限定されます。
しかし近年、株式の最低購入価格が低下し、個人レベルでもドルコスト平均法を実践できる環境が整いつつあります。個人年金として長期的に積み立てていくことも、不可能ではない時代になってきました。

さて、ドルコスト平均法は、株式を購入する場合についてのみ有効な手法です。売却については、一切触れられていません。
しかし、私たち個人投資家のレベルでは、常に売却のことも考えておかなければなりません。ドルコスト平均法でいくら購入単価を下げることができても、売却時に安く売らされていたのでは何にもなりません。

では、どうすればいいのでしょうか。

私たちは株式の売却時には、平均売却価格をできるだけ高くしたいわけです。理想は天井で全株を売却することです。しかし、そんなことは不可能です。
ドルコスト平均法で積み重ねてきた大量の株式を売却するためには、やはり、何回かに分けて売却することが妥当でしょう。では、何回かに分けるときに、その分け方で平均売却価格は違ってくるのでしょうか。

その答えは、実は既に示してあります。

冒頭で述べた「平均購入価格」を、「平均売却価格」に置き換えて見てください。さらには、「購入」を「売却」に置き換えて見てください。
すると、毎月一定額を売却する場合の平均売却価格は調和平均に、一定株数を売却する場合の平均売却価格は相加平均になることが分かります。

相加平均が調和平均よりも大きいことは、数学的に証明されています。平均売却価格はできるだけ大きくしたいことが、売却時の要請です。
すなわち、売却時には購入時とは逆に、相加平均である一定株数の売却を実践すれば、平均売却価格を大きくすることができます。この手法を、逆ドルコスト平均法と呼ぶことにします。命名の理由は明白ですね。

具体的には、所有株を一定の期日を空けて複数回に渡って売却します。その際、株価に関係なく、同一株数ずつ売却するわけです。
例えば、ある銘柄を100単位保有していて、これを10回に分けて売却する場合は、その時々の株価に関係なく、1回当たり10単位ずつ売却していくわけです。そうすれば、平均的に高い株価水準で全株を売り抜けることができます。

もちろん、これはあくまで平均的に見た場合であり、株価の下降トレンドが長く続くような場合には有効ではないかもしれません。また、上手く天井を嗅ぎ分けて売り抜けた方が、遥かに高い利益を上げることができるのは、言うまでもありません。

この手法の難点は、個人投資家にとってメリットを実感し辛いことです。私たちがどのようなタイミングで株式を売却するかについては、その時になってみないと分からないという現実があります。
また、後になってチャートを見て、あの時売却していたら、などという気持ちが強く沸きあがってくることも少なくないでしょう。

そのような仮定の売却益と、逆ドルコスト平均法による売却益とを比較した時に、多くの利益を取り損ねたような思いに囚われることが予想されます。

何よりも、逆ドルコスト平均法の実践は長丁場です。その中では、株価の下落時に売ってしまうこともあるでしょう。
普通なら絶対に売らないと思うような状況でも、売らなければならないということへの抵抗感は、システムトレードを行なったことがある方なら、容易に想像できると思います。

そこで、最後に逆ドルコスト平均法の利用方法について、一つだけ紹介します。

株価の変化には季節要因が存在する場合があります。例えば、3月末の権利取りに向けて株価が上昇することを、よく目にします。
しかし、だからと言って権利落ち日に買って権利確定日前に売り抜けることが良いかというと、必ずしもそうではりません。ある範囲に渡って安くなる傾向や高くなる傾向があるとは言えても、それを月単位で的中させるのは容易ではないでしょう。

そこで、ドルコスト平均法と逆ドルコスト平均法の出番です。例えば、年1回の配当がある企業で、権利確定月が3月であるとします。その場合、4~9月の間はドルコスト平均法で買い付け、10~3月の間は逆ドルコスト平均法で売り抜けるのです。

権利落ち後は平均的に株価が安く、権利確定日が近づくにつれて株価が上昇してくるだろうという想定で仕掛けるわけです。
もちろん、意に反して年度の後半の方が株価が下落する場合もあるかもしれません。その辺りは当然、過去の株価の動きを見て、判断するしかありません。また、他のアノマリー要因を利用することも考えられます。

また、買いと売りのタイミングが異なる複数の銘柄を組み合わせることで、投資資金を有効に活用することができます。それ以外にも、買いと売りの期間を異なった長さにしたり、期間を短縮したりと、様々なバリエーションが考えられます。

このドルコスト平均法と逆ドルコスト平均法の考え方を突き詰めていくと、マネーマネジメントによる収益機会の実現が可能となります。これは、いわゆる「うねり取り」と共通する投資手法ということになります。
この手法については、次節で解説する予定です。
 
 
[関連コラム]
2006/03/22 「逆ドルコスト平均法」
     ・・・など


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